医療のトピック
医療のトピック
「視力回復トレーニング」の落とし穴
科学的に正しい近視対策とは
「この体操で視力が回復します!」
そんな怪しい広告を見たことはありませんか?
近視には、遺伝的な近視(眼軸長の伸長)と環境による近視があります。
環境による近視の中には、仮性近視といわれる一時的な近視があります。
この仮性近視は、近くを長時間見すぎることによる一時的な近視ですので、
これは目を休めたり、遠くの山を見る、ことで治すことができ、
そのような点眼(ミドリンM点眼)も存在します。
冒頭の怪しい視力回復トレーニングはこの盲点を利用した詐欺です。
実際に科学的に根拠のある近視矯正なのかどうかを
しっかりと見極める必要があります。
現在、眼科的に根拠のある近視対策としては、
オルソケラトロジー:夜寝る時に装用する特殊なハードコンタクトレンズ
低濃度アトロピン点眼:夜寝る時に点眼することで近視進行をとめる
屋外活動:2時間程度
30分に一度目を休める
30cm離してみる
・・・などがあります。
オルソケラトロジーも低濃度アトロピン点眼も、
厚生労働省の認可はうけていますが、
国民健康保険の対象にはなっていない点に注意が必要です。
情報が溢れる時代だからこそ、
「医学的に正しい対策」を選ぶ必要があります。
院長まつやま

2025-06-23 18:28:44
日光が目にいい理由
「1日2時間」の屋外活動のすすめ
日焼けが気になる季節。
でも、日光は目にとっては味方です。
海外の研究では1日2時間の屋外活動にて、
近視が抑制されたとする報告が散見されます。
これは、まだすべてが解明されているわけではありませんが、
太陽光やドーパミン分泌 により、 眼軸成長が抑制される可能性が指摘されています。
特に近視人口の多い台湾や中国では、
国をあげて屋外活動を推奨しているところもあるくらいです。
夏は熱中症なども問題も起こりえますので、
日陰や時間帯など、日焼けや紫外線対策と両立する「安全な屋外活動」が推奨されます。
日光を「適度に浴びること」が、近視予防に効果なのです。
院長まつやま

2025-06-23 14:51:18
夜更かしが近視を進める?
睡眠と目の意外な関係
夜ふかしをしている子ほど近視が進みやすいと思いますか?
実はこれは本当です。
これには下記のようなことがいわれています。
• 睡眠不足による眼の成長リズム乱れ
• メラトニンと眼軸成長の関連性
• スマホを使う時間帯と光環境がカギ
まだわかっていないことも多いのですが、
総じてこれらの生活習慣が、近視の進行をはやめてしまいます。
「寝る子は育つ」は、目にも当てはまる言葉なのです。
院長まつやま

2025-06-23 08:44:17
メガネは治療じゃない!?
補正と予防の違いを正しく理解しよう
メガネをかけたからといって、「目が治った」とは限りません。
眼鏡をかけてピントを合わせてことにより、
実質的に視力があがっただけです 。
今、この近視で項でお話していることは、
いかに近視の進行を抑制できるか、ということです。
メガネはあくまでも視力補正であり、
近視の進行を抑制するわけではありません。
近視の進行予防のための治療法としては、以下のものがあります。
・ オルソケラトロジー
夜寝ている間に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、
朝にはよく見えるようにする近視の矯正法です。
・ 低濃度アトロピン
寝る前に1滴点眼することで、今後の近視の進行を抑制するとされる治療法で、
主にアジアで注目されています。
ただし、2年後のデータでみて近視が少し抑制されたとか、
19歳前後まで継続が必要とか、
中止するとリバウンドが起こって近視が進行するとの話もあり、
ままだわからない点も多くあります。
メガネはあくまでも「矯正」方法であり、
進行抑制には別のアプローチが必要です。
院長まつやま

2025-06-23 08:40:09
強度近視が引き起こす合併症とは
「近視が強いだけだから」と安心していませんか?
実は、強度近視は“目の病気の温床”でもあるのです。
例えば、網膜剥離、黄斑変性、緑内障などの合併症が起こりやすいことはよく知られています。
下図にそれぞれの病気の発症リスクについて添付しておきます。
強度近視の定義と眼軸長の影響
● 強度近視(high myopia)の定義
指標 |
基準値 |
屈折値 |
−6.0D以上 |
眼軸長 |
26.5mm以上(平均は23.5〜24mm) |
● 眼軸長と病的近視のリスク
したがって、強度近視の方はさまざまな病気のリスクとなっているので、
定期的に眼底検査を行うことが大切となってきます。
院長まつやま
2025-06-22 13:14:42
目を細めるクセが視力低下を招く?
見落としがちな近視のサイン
写真を見ると、子どもがいつも目を細めている・・・
こんな経験ありませんか?
これは、視力低下のサインかもしれません。
実は目を細めると、遠方のものが見えやすくなるのです。
これをピンホール効果と言います。
例えば、カメラの絞りの機能と同様に、
目を細めると直進性の高い中心光線だけとなります。
そのため、網膜上のボケがへり、
近視や乱視などの屈折ズレも減るのです。
学校の検診などで、目を細めてみていると、
実際の視力低下を見逃す原因にもなりかねません。
子どもはなかなか自分から
見えにくいとはいいません。
これは自分の視力に気づいていなかったり、
当たり前になっていたり、主観的な判断に頼っているからです。
「目を細める」は目からのSOSです。
これを早期発見の目安として、眼科受診をし、
子どもの視力を守りましょう。
院長まつやま

2025-06-22 13:03:04
近視が加速するデジタル習慣
いまや、誰もがスマホが手放せない生活。
でも、その代償として視力を失っていませんか?
近距離作業と眼軸伸長の関係
眼軸長とは?
眼球の前(角膜)から後ろ(網膜)までの長さ
正常眼軸長:約23.5~24.0 mm
眼軸が1mm延びると、近視度数はおよそ−2.7D進行するとされる。
近距離作業が眼軸長を伸ばす仕組み
メカニズム |
内容 |
調節性ストレス |
長時間のピント合わせが続き、眼球の成長シグナルが刺激 |
網膜後方への虚像 |
近距離作業により光が網膜より後方で焦点を結び、眼軸長↑の引き金になる |
視環境の単調さ |
室内・近距離に限定された視野が、遠近のピント調節を妨げる |
学童への「スクリーン時間ガイドライン」
厚労省や日本小児科学会は1日2時間以内を目安としています。
まとめとしては、
「
スマホのある日常」には、
正しい距離と
時間のルールが必要です。
院長まつやま
2025-06-22 12:43:28
生活習慣が左右する近視リスク
遺伝は言い訳なのか?
「親が近視だから仕方ない」と諦めているかとも多いのではないでしょうか?
本当にそうなのでしょうか?
近視には、もちろん遺伝要因もありますが、
環境要因も大いに関わっていることが最近わかってきました。
同じ遺伝背景でも、生活スタイルで近視発症率が変わってきます。
親のどちらかに近視があると、近視の発症率は3倍になると言われていますが、
環境要因はそれをチャラにするくらいの影響がある、とも言われています。
この環境要因とは、主に、
屋外活動、読書距離、スマホ時間、などです。
環境を整えれば、遺伝があっても近視の進行は防げる。
これは子どもが小さいうちから(まだ目が育ってくる前から)
実践することに意義があります。
院長まつやま

2025-06-21 14:58:35
勉強だけじゃない!
屋外時間がカギになる近視の真実
勉強ばかりしていると近視になる・・・
そのようにおもっている人もいるかもしれません。
実は、目の健康に最も大切なのは“外遊び”かもしれません。
近年の研究では、
屋外で1日2時間以上過ごした子どもの近視リスクが
低下したことが報告されています。
これは、おそらく、光刺激が網膜のドーパミン分泌を促し、
眼軸伸長を抑制しているのでは、とのこと。
晴れの日に公園へ行くことが、最高の近視予防策かもしれません。
家にこもってスマホやタブレットをいじる毎日よりも、
毎日の「外遊び」こそが、目にとって最高の予防策です。
院長まつやま

2025-06-21 08:30:47
世界の半分は近視!?
いま、近視が世界的な問題になっている理由
クラスの半分以上の児童が眼鏡をかけているから、近視はしょうがない・・・
そう思っている親や子供もおおいかもしれません。
実は今、世界中で“近視のパンデミック”が起きています。
世界保健機構(WHO)の推定では、
2050年までに世界人口の半数が近視になるとの結果が出ています。
アジア圏(特に都市部)では、
すでに児童の近視率が80〜90%にも達しています。
なぜ増えているのか?
いくつかの因子が考えられますが、次のようなものが有力視されています。
・屋外活動の減少
・スマホ
・学業の高度化
これらへの国際的な取り組みもすでにはじまってきており、
台湾やシンガポールでは国をあげて、子どもの屋外活動を推進しており、
近視の進行予防に結果をだしてきています。
近視はもはや一国の問題ではなく、
世界的な視機能障害のリスク因子です。
院長まつやま

2025-06-20 14:52:44