2. ゾウはがん抑制遺伝子を多数持つ
巨大な体と長寿にもかかわらずがんが少ない
ゾウは体重数トン、寿命60〜70年という大型で長寿な動物です。
本来であれば「細胞の数が多い=がんのリスクが高い」と考えられますが、実際にはゾウのがん発症率は人間より低いことが分かっています。
p53遺伝子の驚異的な数
-
ゾウの秘密は「p53」というがん抑制遺伝子にあります。
-
人間はp53遺伝子を2コピーしか持ちませんが、ゾウはその約20倍(40コピー前後)も持っています。
-
p53は「ゲノムの守護者」と呼ばれ、DNAが傷ついた際に修復を促したり、修復できない場合は細胞を自滅(アポトーシス)させたりする働きを持っています。
ゾウの体が示す進化の知恵
ゾウはこの多重のp53遺伝子のおかげで、がん細胞が芽を出す前に徹底的に排除できる仕組みを持っているのです。
進化の過程で大型化と長寿を可能にした「生命の工夫」といえるでしょう。
人間のがん研究への応用
この仕組みを解明することは、人間のがん予防や治療法開発にも役立つ可能性があります。
実際に、ゾウのp53を参考にした研究は、新しい抗がん療法のヒントとして注目されています。
まとめ
院長まつやま
(まつやま眼科)
2025-10-09 08:16:00
医療のトピック