
近視の程度は、3つの段階にわけることができます。
軽度近視、中等度近視、強度近視です。
近視が強くなるほど、近視特有の病気を発症しやすくなるため、
注意が必要となります。
例えば、高度近視の人は軽度近視の人に比べて、
白内障で2.5倍、緑内障で3.5倍、網膜剥離で7倍、近視性黄斑症に至っては20倍も
発症しやすいと推計されています。
どのような人が強度近視になるのかを、いち早く知ることができれば、
上記の病気の発症を抑えることができるかもしれません。
実際に、シンガポールにて、
「近視発症の初期段階で、将来的な強度近視に進行するリスク」を調べる研究が報告されています。
この報告によると、強度近視になった人の87%が、7歳以前に近視が発症し、
その後、4年間以上にわたって近視が進行したとのことでした。
つまり、発症時期が早い近視ほど、強度近視に進行しやすいとする結果です。
しかし、イギリスの報告では、
発症年齢が強度近視に影響する割合は15%とされ、
発症年齢と強度近視との因果関係については結論がでていません。
また一般的な近視は、通常は10歳代後半には近視の進行がストップしますが、
中には20歳代以降も近視が進行し続ける人もいます。
このような方の特徴は、
仕事や勉強により近くを見る作業が多い人や、
すでに10代で強度近視になっている人に多いことがわかっています。
このような方に対する近視進行の予防も、今のところは手の打ちようがなく、
予防医学としての治療開発が期待されています。
院長まつやま
2020-12-24 08:46:02
医療のトピック