今年はスギ花粉が昨年以上も飛散したため、アレルギー性結膜炎の患者が増加しましたが、
スギ花粉のピークはすでに過ぎてきています。
アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎は、一般的に花粉症として知られていますが、
実は、花粉以外にもさまざまなものがアレルギーの原因となりえます。
病院の採血でアレルギーを調べる場合には、
季節の花粉に加え、ホコリ、ダニ、昆虫、イヌ、ネコなどのアレルギー抗体を検査しますが、
そこには、PM2.5や黄砂の項目はありません。
PM2.5や黄砂は、花粉よりもはるかに小さな粒子であり、
中国からの偏西風に乗って飛散してくる過程で、その表面にさまざまな化学物質が付着しています。
主には、これらの化学物質がアレルギーをひきおこすと考えられています。
昨日も、10年に1度と言われるくらいの量の黄砂が広島に飛来してきましたが、
3月終わり頃から4月にかけては、1年の中で、最もPM2.5や黄砂が飛散しやすい時期です。
特に飛散の多い九州地方では、天気予報の際に、毎日、PM2.5の飛散予報を、各局で放送しています。
また、もともと花粉症を患っている方は、
PM2.5や黄砂の飛散により、症状が増悪することが報告されています。
PM2.5や黄砂の飛散状況や飛散予報は、随時、インターネットで確認することができますので、
花粉症がなぜか増悪してきているように感じたら、ぜひチェックしてみてください。
院長まつやま

2021-03-30 08:53:26
医療のトピック