通常の近視はメガネで視力を矯正することができるので、
これまではあまり問題とされてきませんでした。
しかし近年は、これまでのデータの蓄積から、
近視そのものが目の病気に与える影響が大きいことが分かってきており、
病的近視という概念がでてきました。
近視は、大きく分けて、軽度近視、中等度近視、高度近視に分類することができます。
それぞれの近視の程度と目の病気のかかりやすさを比較した統計によると、
軽度近視、中等度近視、高度近視の順に、
白内障では、2倍、3倍、5倍もなりやすく、
緑内障では4倍、4倍、14倍もかかりやすいことがわかっています。
また網膜剥離では、それぞれ、3倍、9倍、22倍と、近視が進行すればするほど病気のかかりやすさが加速し、
近視性黄斑症に関しては、2倍、10倍、41倍にも罹りやすさが上昇することがわかっています。
したがって、近視が進めば進むほど、これらの病的近視に対して、
定期的な検診などのケアをする必要があります。
また、近視進行の機序がすべて解明されているわけではありませんが、
小児期の進行が早い近視は、将来的に高度近視に進行する割合も高くなってきます。
できれば小児期に近視の発症や進行を予防できれば、それに越したことはありません。
院長まつやま

この記事は2020年のブログを再編集したものです。
2022-04-26 10:49:52
医療のトピック