新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、
全世界の人々に感染症の恐ろしさをしらしめ、
世界的に感染予防の重要性が叫ばれるようになりました。
実際に、コロナ禍の2年間はインフルエンザ感染症の患者も激減しましたが、
これはひとえにマスクや手洗いによる感染予防が功を奏した結果です。
それでは、眼科領域の感染症についてはどうでしょうか?
感染性結膜炎の救急外来受診の受診数の統計から、そのことにふれた論文がでています。
アメリカでは2020年4月からマスクの着用を疾病予防センターが勧告していましたが、
その前後で統計をとると、感染性結膜炎の患者は34.2%も減少していたことがわかりました。
一方で、角膜上皮剥離の患者数はほぼかわらず、
また主に飛蚊症の原因となる後部硝子体剥離の患者は約8%増加していることから、
やはり眼科領域でも、このコロナ禍に感染症が確実に減ってきていることが判明しました。
これまで、それほど重要視されてこなかった感染症ですが、
公衆衛生により、これだけ顕著に感染症が減らせることを考えると、
われわれ一人一人の感染予防の概念がいかに重要かということが改めて分かります。
院長まつやま

2022-07-06 08:50:31
医療のトピック