花粉症は春のスギ花粉の飛散シーズンに発症する人が多く、
いまは、春の風物詩にもなっています。
ところが、秋が深まるこの時期にも、花粉症が流行します。
春の花粉症の原因は、主にスギやヒノキ、カバノキ科などの木の花粉です。
一方で、秋の花粉症の原因は、
イネ科の草やブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの草の花粉によります。
イネ科といっても、問題となるイネ科の草は田んぼに実っている稲ではありません。
花粉症の原因となるイネ科の植物はたくさんあり、
4~7月はカモガヤとハルガヤ、
6~8月はギョウギシバ、
5~8月はオオアワガエリ、
8月~9月はアシやススキなどのイネ科の花粉が多く飛散します。
しかし、もっとも多くの原因となる秋の花粉症は、ブタクサやヨモギです。
これらは日本全国に発生する植物であり、9~10月に飛散のピークを迎えます。
ブタクサはキク科の一年草で、原産は北アメリカであり、
黄色くて小さな花を大量につけます。
実際に、原産地である北米大陸では、花粉症といえばブタクサがメインであり、
全人口の5~15%がブタクサ花粉症との統計もあるそうです。
一方のヨモギはキク科の多年草で、日本全国に自生しています。
昔から、草餅の材料に使われたり、お灸のもぐさや漢方の原料にもなっていますが、
この時期には花をさかせ、多量の花粉を飛ばします。
また、あまり聞きなれないかもしれませんが、カナムグラも有名です。
長くつるを伸ばし周囲に絡みつき、辺り一面を覆ってしまうほど、繁殖力が強いとされています。
いづれも症状は、アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎として現れてきますので、
春の花粉症と同様の所見が出てくる場合には、点眼や内服による治療が必要となります。
院長まつやま

2022-10-07 09:30:27
医療のトピック