毎年3月上旬の1週間は世界緑内障週間に定められ、
緑内障啓発のための国際的イベントが世界各国で行われます。
今年は3月12日(日)から18日(土)までがその期間に当たり、
日本の各地で公共施設や病院がグリーンにライトアップされる予定です。
写真はライトアップされた出雲大社です。
緑内障と眼圧は切っても切れない仲ですが、眼圧はさまざまな状況で変動します。
1日の中で眼圧が変動する日内変動は、
変動幅が大きいほど緑内障が進行しやすい可能性が報告されていますし、
冬に眼圧が高くなる季節変動は、その時期だけ緑内障の目薬を増やすこともあります。
また一時的に眼圧に影響する因子もしられています。
運動やアルコール摂取は一時的に眼圧を下げますし、
逆に喫煙やカフェイン、過度の飲水は眼圧を上げることが知られています。
しかし、先日報告された日本での研究では、
コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が下がるという結果が出ていたため、
様々な条件が関係しているのかもしれません。
これらの一時的な眼圧変動の因子については、
良くも悪くも一時的な効果であるため、緑内障そのものには影響しないと考えられてきました。
ところが運動に関しては、緑内障の治療効果がある可能性が報告されています。
運動により眼圧が低下しただけでなく、
緑内障による視野障害の進行が緩やかになったというものです。
もともと運動は、昔から、多くの生活習慣病や慢性疾患に対して予防的に働くことはよく知られていますが、
もし緑内障にも効果があるとすれば患者さんにとっては朗報です。
報告によると、1日1000歩の歩数や30分の起立姿勢くらいの運動でも、
視野にいい影響が出たとのことです。
「点眼をさして後は神まかせ」
という現状や、診察室での眼圧に一喜一憂するのではなく、
ぜひ簡単な運動からでも始めてみてはいかがでしょうか?
院長まつやま

2023-03-14 19:19:39
医療のトピック