一般的に、昼寝は健康的な習慣と見なされています。
昼寝はパフォーマンス向上をもたらし、
睡眠不足による悪影響を緩和すると考えられているからです。
しかし、近年のヨーロッパ心臓病学会では、
昼寝と死亡リスクについて、衝撃的な報告がなされています。
この研究は、昼寝と心血管疾患の発症リスクと全死亡リスクとの関連を検討した
研究論文20件を基に解析を行ったものです。
対象は31万人以上で、このうち4割弱に当たる人が昼寝の習慣を持っていました。
驚くべきことに、昼寝の習慣がある人では、
全死亡リスクが19%も増加していました。
具体的には、女性で22%、65歳以上の高齢者で17%も全死亡リスクが増加していたとのこと。
さらに、昼寝を1時間以上する習慣のある人は、
心血管疾患の発症リスクが34%、全死亡リスクが30%も高いことが明らかになりました。
これらの原因は明確にはなっていないものの、
長い昼寝により体の炎症レベルが上昇することを示唆する報告や、
昼寝と高血圧や糖尿病の発症、全体的な健康レベルの低下との関連を示す研究が
報告されているとのことです。
睡眠の問題について気になる方は、専門医と話し合うことをすすめているほか、
もし昼寝をするのであれば、1時間以内にとどめる方が安全だとしています。
院長まつやま

2023-03-29 13:29:41
医療のトピック