帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルス(ヘルペスの一種)による感染症で、
皮膚のピリピリする痛みから始まり、赤みや水泡などの皮膚症状や皮疹を発症します。
もともとこのウイルスは、小児の頃にいつのまにか感染し、
そのまま体内の神経の中に隠れて潜んでいます。
このウイルスが、ストレスや疲れ、免疫機能の低下に伴って活性化し、
その神経支配領域に皮疹を起こします。
この帯状疱疹が、顔の感覚を支配する三叉神経領域に起こると、
おでこから目の周囲にかけて皮疹が生じます。
三叉神経は一部、目の表面にも分布しているため、
目の表面や目の中に炎症を起こすこともあります。
目の炎症に関しては、軽い結膜炎から、眼内の炎症である重度のぶどう膜炎までさまざまで、
ぶどう膜炎に伴って続発緑内障を合併することもあります。
ぶどう膜炎や続発緑内障を伴うような重症の眼部帯状疱疹は再発しやすいことが知られており、
5年再発率が25%もあるとのことですので、注意が必要です。
最近は、コロナワクチンの影響もあり、
眼部の帯状疱疹の患者さんが増えてきているとする報告もあります。
早期の治療が功を奏しますので、
おでこから側頭部のピリピリ感がある方は早めの受診をお勧めします。
院長まつやま
2023-06-01 15:18:07
医療のトピック