疲れやストレスがたまると、
まぶたの周りがピクピクとけいれんすることがあります。
多くの場合は一時的な症状であり、目の表面の違和感や疲れ目が軽快すると、
まぶたのピクピクも消失することがほとんどです。
しかし、ピクピクがいつまでも治らなかったり、
症状の範囲が片方の目から両眼に広がってくるようであれば、
眼瞼けいれんといわれる、全く別の病気を考えなくてはいけません。
軽いものは、光をまぶしく感じたり、目が乾く感じがしたり、
目を開けているのがつらいなど、ドライアイに似た症状からはじまります。
重症になるにつれ、自分の意思とは関係なく目をつぶってしまったり、
自然な瞬きができなくなったり、まぶたのピクピクが強くなったりしてきます。
さらに症状が進行すると、自分の意思では目が開けられないようになり、
運転中に事故を起こしたり、普通に歩くのも困難になってくるような人もいます。
眼瞼けいれんの症状はまぶたに現れますが、
原因自体はまぶたの筋肉にあるわけではなく、神経の問題です。
つまり、脳からの指令がまぶたの筋肉に正しく伝わらないために、
目の開け閉めがうまく機能しなくなるのです。
一般的には、50歳から70歳代の女性に多く見られます。
現在はこのけいれんに対する特効薬があります(ボトックス注射)。
この注射を目の周りに行い、筋肉の異常な緊張を和らげます。
非常に細い針を使いますので、痛みはほとんどありません。
1回の注射で、効果は3か月~半年間持続するため、
また症状が増悪してきたら注射を繰り返す必要があります。
ドライアイの治療をうけても軽快しない方や、光が異様にまぶしく感じる方、
また人ごみで人や物にぶつかることが多くなったと感じる方は、相談してみてくださいませ。
院長まつやま

2023-07-26 13:34:23
医療のトピック