翼状片とは、鼻側の結膜が角膜に入ってくる病態といいます。
まれに耳側の結膜が入ってくることもありますが、この時は、偽翼状片といいます。
基本的には良性であり、小さなものは充血の主訴くらいで、問題となることはあまりありませんが、
約2mmを超えて大きくなってくると、不正乱視の原因や美容的な原因となります。
屋外労働者や屋外スポーツ選手、熱帯地方に多いことなどから、
紫外線の影響が指摘されています。
治療は、手術により翼状片を切除するしかありません。
翼状片は、表面上の結膜だけが侵入してきているわけではなく、
結膜下の増殖組織も関与しています。
したがって、表面上の結膜組織だけを切除しただけでは、
3割以上の人が数か月以内に再発するといわれています。
当院では、結膜下の増殖組織を切除することはもちろんのこと、
再発予防をかねて、抗がん剤の一種であるマイトマイシンCを術中に患部に塗布し、
その後、洗浄する操作を追加して行っております。
また、隙間があると翼状片が再発するリスクがあるため、切除後の結膜をきれいに縫合しておくことも重要です。
この術式での再発率は1%以下であり、良好な成績をおさめています。
病変部は2~3針縫合するため、1~2週間はゴロゴロ感が強く、
また約1か月は鼻側の結膜充血を伴いますが、最終的には目立たなくなります。
院長まつやま

2023-08-17 08:39:49
医療のトピック