複数の研究で、女性は男性よりも失明リスクが高いとされています。
例えば、加齢黄斑変性の患者に占める女性の割合は65%ですし、
白内障や緑内障の患者に占める女性の割合も61%と多くなっています。
実際に、これらの病気で失明に至る患者の割合も、女性が66%と過半数となっています。
各種の眼疾患や失明における性差の要因としては、寿命が挙げられます。
ご存知のように、女性のほうが男性よりも寿命が長いため、
加齢に関連している眼疾患の多くは、結果的に女性の罹患率があがってしまうのです。
また、女性特有の問題もあると推測されています。
例えば、閉経後の女性はドライアイの発症率が2倍となることが知られています。
また、女性は男性よりも、SLE、シェーグレン症候群および甲状腺機能亢進症といった
視力に影響しやすい自己免疫疾患の罹患リスクが高く、
さらに妊娠に伴うホルモンの変化が視力低下を引き起こす可能性も指摘されています。
アメリカでは、女性のこれらのリスクをふまえて、
眼の健康を守るために、眼科学会からヒントが提言されています。
1. 40歳で眼科検診を受ける
2. 家族歴を把握する
3. 健康的な食生活を送る
4. 禁煙
5. サングラスを着用する
これらは、女性に限らず、眼疾患による失明リスクを下げることにつながりますので、
是非、参考にされてみてください。
院長まつやま

2023-10-26 08:51:38
医療のトピック