すべての生物は、DNAを設計図として作られるたんぱく質からできている、
ということはご存知の方も多いかと思いますが、
ヒトのすべてのDNAが解明されたのは意外と最近のことです。
1990年から15年の歳月と4000億円以上をつぎ込んで、男女1人づつのヒトのDNAの配列を解読しました。
DNAの総数は30億個とされ、そのうち、遺伝子として発現するものは2億6千個とされています。
この功績によって、すべての病気の解明が進むのでは、
と期待した人も多かったのではないでしょうか?
しかしながら、病気の解明はなかなか一筋縄ではいきません。
理由は2つあります。
ひとつは、実際に病気の方にはどの遺伝子が発現・欠損しているのかを調べる必要があります。
これは、すでに解析されつつあります。
もひとつは、同じDNAでも、配列が微妙に異なるものがあり、
それが病気の発症に関係することがわかってきたからです。
このDNA配列の違いを、今度は1000人分のゲノムを解読して、解明しようとしています。
まだまだ、DNAから病気を解明するには時間がかかりそうですが、
人類は確実に病気の本態にせまりつつあるようです。
院長まつやま
2023-12-05 12:45:24
医療のトピック