「視力回復トレーニング」の落とし穴
科学的に正しい近視対策とは
「この体操で視力が回復します!」
そんな怪しい広告を見たことはありませんか?
近視には、遺伝的な近視(眼軸長の伸長)と環境による近視があります。
環境による近視の中には、仮性近視といわれる一時的な近視があります。
この仮性近視は、近くを長時間見すぎることによる一時的な近視ですので、
目を休めたり、遠くの山を見る、ことで治すことができ、
そのような点眼(ミドリンM点眼)も存在します。
冒頭の怪しい視力回復トレーニングのうたい文句はこの盲点を利用した詐欺です。
実際に科学的に根拠のある近視矯正なのかどうかを
しっかりと見極める必要があります。
現在、眼科的に根拠のある近視対策としては、
オルソケラトロジー:夜寝る時に装用する特殊なハードコンタクトレンズ
低濃度アトロピン点眼:夜寝る時に点眼することで近視進行をとめる
屋外活動:2時間程度
30分に一度目を休める
30cm離してみる
・・・などがあります。
オルソケラトロジーも低濃度アトロピン点眼も、
厚生労働省の認可はうけていますが、
国民健康保険の対象にはなっていない点に注意が必要です。
情報が溢れる時代だからこそ、
「医学的に正しい対策」を選ぶ必要があります。
院長まつやま

2025-06-23 18:28:44
医療のトピック