多焦点レンズで老眼も治る?
多焦点眼内レンズで「老眼が治る」というよりは、
「老眼鏡なしでも生活できる範囲が広がる」と考えるのが妥当です。
多焦点眼内レンズは、
水晶体の代わりにピントを複数の距離に合わせられるように設計されています。
まず、老眼とは、
加齢によって、水晶体のピント調節力が低下し、
近くが見えにくくなる現象です。
40代以降に進行し、老眼鏡が必要になる主な理由となります。
一方で、多焦点眼内レンズのしくみですが、
眼内レンズに遠く・中間・近くの複数の焦点を持たせることで、
ピント調節力がなくても見えるように設計されています。
つまり、「自分でピントを合わせている」のではなく、
「レンズが複数の距離に焦点を用意してくれている」という状態です。
よく間違われやすいことは、
多焦点レンズですべての近くの作業に対応できる、という誤解です。
確かに、新聞やスマホなど多くのシーンではメガネ不要になりますが、
ごく小さな文字や長時間の読書には老眼鏡が必要なこともあります。
また、生活のスタイルによっては、
多焦点ではなく手元重視の単焦点を選ぶことも選択肢のひとつです。
(実際にわれわれ手術をする立場の医師は、単焦点を選ぶことが多くあります。)
多焦点レンズは「完全に老眼を治せる」ものではありませんが、
「老眼による不便さを大きく減らす道具」です。
日常生活の中で、「どれだけメガネを減らしたいか」によって
選択の価値が変わります。
院長まつやま

2025-06-25 14:50:11
医療のトピック