甲状腺眼症の治療は、
「炎症を抑える治療」「症状をやわらげる治療」「手術による治療」の3つが柱です。
病気の進行具合や症状の重さによって、治療法が変わります。
1.炎症を抑える治療
甲状腺眼症の初期は、眼の奥の筋肉や脂肪に炎症が起きている「活動期」です。
この時期は治療のゴールデンタイムで、以下のような方法で炎症をコントロールします。
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ステロイド治療
まずは、眼科外来で、ケナコルト(長期作用性のステロイド)の眼窩内注射を行います。
それでも活動性が高い場合は、入院の上、高用量のステロイドを点滴を投与します。
特に視神経が圧迫されている場合は緊急で行います。
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免疫を抑える薬(免疫抑制剤)
ステロイドが効きにくい場合や、再発を繰り返すようなときには、
リツキシマブといった免疫を調整する薬を、入院にて使うことがあります。
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放射線治療
目の奥の炎症や筋肉の腫れを抑えるために、眼窩に少量の放射線をあてて治療します。
ステロイドとの併用で効果が高まることがあります。
2.症状をやわらげる治療(どの時期でも有効)
炎症があるなしに関わらず、日常生活で不快な症状を軽くする治療です。
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ドライアイのケア
涙の分泌が減ったり、まぶたが閉じきらないことで角膜が乾きやすくなるため、人工涙液の点眼やまぶたの保湿が重要です。
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まぶしさ(羞明)への対策
遮光眼鏡やサングラスを使うと、光に敏感になった目を守れます。
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複視への対応
物が二重に見える症状には、プリズム眼鏡などで視線を補正する工夫をします。
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生活の工夫
禁煙は絶対に必要です。タバコは症状を悪化させる最大のリスクです。また、就寝時に枕を高くして寝ることで、まぶたや眼球の腫れがやや改善することがあります。
3.手術による治療(慢性期や重症時に実施)
炎症が収まり、病状が安定してきた「慢性期」に、
残った症状や見た目の改善を目的として手術を行うことがあります。
ちなみに、ステロイドの眼窩内注射はどの治療とも並行して行えます。
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眼球突出が目立つ場合には、眼窩の骨を削ったり、
眼窩内の脂肪を切除して眼球の位置を後ろに下げる「眼窩減圧術」が行われます。
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まぶたが開いたままで閉じづらい場合には、まぶたを下げたり引き直す「眼瞼形成手術」が有効です。
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物が二重に見える複視が残った場合には、眼球を動かす筋肉のバランスを手術で調整します。
まとめ
甲状腺眼症は、「今が活動期なのか」「もう慢性期なのか」によって、治療内容がまったく異なります。
炎症が強い時期は、ステロイドなどで速やかに抑えることが最優先です。
その後、残った症状や見た目の悩みに対しては、
手術や生活の工夫で丁寧に対応していくことが大切です。
院長まつやま
(まつやま眼科)
2025-07-09 08:48:45
医療のトピック